慶應義塾大学医療系三学部合同教育

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2016年度の合同臨床実習

1年後の新病院開設からは、医学部、看護医療学部、薬学部による合同の臨床実習が頻繁におこなわれるようになります。そのための準備として、今年度は、合同臨床実習を2回行いました。1回目は慢性腎不全の患者さんを対象とした実習で、2回目は小児の患者さんを対象とした実習でした。

日程

2016年6月30日(木)10:00-15:00

場所

慶應義塾大学病院

参加者

医学部2名、看護医療学部2名、薬学部薬学科2名

概要

AチームとBチームに分かれ、それぞれに割り当てられた患者さんから話を伺い、患者さんの抱える問題に、どうアプローチするかを相談しました。

Aチーム3人とBチーム3人に分かれ、それぞれに1人の患者さんを割り当てました。Aチームは腎機能が急速に悪化し、血液透析を導入された患者さん。Bチームは維持血液透析中に心疾患の手術をおこなった患者さんです。まずは、電子カルテから、その患者さんの臨床経過を調べ、現在抱えている問題は何なのかを把握しました。その後、実際に病棟に患者さんに会いに行き、現在抱えている問題を患者さんから直接伺いました。学生達は、電子カルテから集めた情報に、実際に患者さんから伺った話を加えて、その患者さんの抱える問題と、それの対応を話し合いました。
その後、2時間のグループワークをおこない、「各職種の患者さんへのアプローチの特徴はなんでしょうか? それらのアプローチの違いをチーム医療にどのように役立てたらいいでしょうか?」というテーマでグループワークをおこないました。
三学部合同教育の意義は、他の職種のことを知り、お互いの重なる領域を増やして行くであるというプレゼンテーションが印象的でした。
学生達からは、各チームで専門職が1人なので、責任感をもって、積極的に参加し、有意義な実習がおこなえたとの声が聞かれました。

日程

2016年7月15日(金)10:00-15:00

場所

慶應義塾大学病院

参加者

医学部2名、看護医療学部2名、薬学部薬学科2名

概要

AチームとBチームに分かれ、それぞれに割り当てられた患者さんから話を伺い、患者さんの抱える問題に、どうアプローチするかを相談しました。

Aチーム(3名)とBチーム(3名)に分かれ、それぞれに1人の患者さんを割り当てました。Aチームは学童期で術後の患者さんを担当し、Bチームは中学生の患者さんを担当しました。各チーム1台の電子カルテで患者背景、病状の推移と治療歴・薬歴、治療方針などについて把握し、どのような患者さんなのかイメージをつかみ、ベッドサイドで直接お伺いしたいことや確認したいことなどをチームでまとめました。その後、実際に患者さんに会いに行き、現在抱えている問題や自分の病気とどう向き合っているかなどお話を聞き、様子を観察し、小児の患者さんと向き合う時間を経験しました。昼食を一緒に摂りながらおよそ2時間のグループワークを行い、電子カルテから収集した情報とベッドサイドで得られた情報にもとづいて患者さんへの対応について話し合うとともに、「受け持った患者さんについて他のグループメンバーにわかるようにプレゼンすること」と、「小児治療におけるよりよいチーム医療とは」を課題に話し合いを行いました。 各チームのプレゼンテーションや質疑応答、ディスカッションでは、それぞれの立場から自由に意見が出されていました。また、例えば電子カルテからの見方や治療へのアプローチなど「職種による視点の違い」や、学童期の小児患者の治療環境を考えることで、ソーシャルワーカーなど、医師、看護師、薬剤師以外の他職種の専門性も含めた"チーム医療"の重要性を理解できたようです。また、病気だけでなく発達段階という視点からも観察・判断が大切であることを実感できた実習でした。学生のフィードバックに「もっと時間が欲しかった」とのコメントがあったことからもわかるように、各々が自らの立場を意識して実習に取り組んだ結果、お互いの専門性や位置付けなどに新しい気づきのあった充実したよい実習となりました。

1年後の新病院開設に向けて、さらに、このような機会を増やしていきたいと考えています。