慶應義塾大学医療系三学部合同教育

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平田美優紀

医療系3学部合同講義で知ったチーム医療の大切さ

看護医療学部 平田美優紀さん

"チーム医療"が叫ばれるようになってから、慶應義塾大学がいち早く導入した「医療系三学部合同教育」。医療系3学部合同講義、3学部合同ラオス研修など、他大学にはない学びの場を取り入れています。そのようなユニークかつ、リアルな学びにつながる場に魅力を感じて入学してくる学生も多い のも看護医療学部の特徴です。現在学部2年生の平田美優紀さんもそのうちの1人です。3学部合同での講義・研修へ参加して見えてきたこと、学んだこと、そしてこれからのことについて聞いてみました。

--医療の道に進もうと決めた時期やきっかけを教えて下さい。

進路を考えるようになった高校2年生の頃です。自分は何がしたいのかと、深く悩んでいた時期でした。海外経験があって英語を少し話すことができるので、外国で働くことは意識していました。大学で専門的なことを身に付ければ、英語とプラスして人の役に立てるはず。それに気付いて、医療の道へ進むことに決めました。

--慶應義塾大学看護医療学部を選んだ経緯は?

ホームページを見て、看護医療学部・医学部・薬学部が一緒に学ぶ「医療系3学部合同講義」が、私が入学する年からスタートすることを知り関心を持ちました。また海外研修に行くこともできると聞き、そのような経験をすることができる大学はなかなかないので、迷わず慶應義塾大学に決めました。

--実際に学び始めて1年が経ちましたが、看護医療学部のどんなところに良さを感じていますか?

自分のやりたいと思ったことがあれば、やりたいという意思を持ちつつ努力していると、必ず実現できることですね。 合同講義や研修に参加するために小論文などを応募するのですが、真剣に取り組むと想いが通じるんだなと感じています。親身になって相談にのってもらえたり、サポートしてもらえるなど、自ら手を挙げる積極的な学生が、何事にも挑戦しやすい環境を作ってくれる学部だと思います。

--「医療系3学部合同講義」で学んだことは?

看護医療学部にいると、医学部・薬学部は実際何を学んでいるのか、普段関わりがないこともあって、あまり分かりません。逆に彼らも私たちが何を勉強しているかは、具体的には知らなかったのではないでしょうか。それをお互いに共有して理解し合えたことは、チーム医療の重要性を改めて感じるきっかけにもなりました。今後勉強を進めていくにあたっても、かなり有意義なことだと思います。
今回の講義のテーマは「腎不全患者の腎代替療法の選択」でした。「腎代替療法」について講義を受けた後、看・医・薬の学生の混じった7人程度のチームでグループワークを行いました。看護学・医学・薬学それぞれの視点から問題点をまとめ、対策を考え、最終的にグループごとに発表をしました。最初は初対面の学生たちだということもあり不安でしたが、高い意識を持って主体的に動ける人たちが多く、最終的にはとても内容の濃い発表をすることができました。自発的に動いていかないと始まらないーーそれを意識できた講義でもあり、今後のモチベーションアップにもつながりました。

--「3学部合同ラオス研修」ではどういったことを行ったのですか?

合同講義と同じく、看・医・薬の学生が一緒になったチームを作り、ラオスに10日間滞在しました。都市部から地方の村を回って、病院や学校、村の生活の視察、WHOとJICAの訪問などを行いました。帰国後に研修で学んだことをプレゼンするため、現地では色々なものを自分の目で見て、自分の中に落とし込んで考えることを意識しました。

--心に強く残っている場面や、それを受けて感じたことを教えて下さい。

電気があまり通っていない家や、トイレがない家を目の当たりにして、カルチャーショックを受けたのを覚えています。また必要なときに医療を受けられない実態にも、かなり驚きました。地方に行けば行くほど、その傾向が強くなります。道路が舗装されていないため、雨が降ると地面がぬかるんでしまい、物理的な理由で病院に行けないという人もいました。そのような人は自分で薬を買って対処するなど、ぎりぎりの生活をしています。そういった実態を見て、海外の医療に手が届かない人のために何かしたいという気持ちが、これまで以上に強固なものとなったように思います。

--帰国後のプレゼンではどんなことを発表しましたか?

私のチームでは「母子保険」について発表しました。ラオスの乳児死亡率は、42/1000人程度とかなり高いのです。発展途上国の中には、ラオス以外にもこのくらいの数字の国が多くあります。ラオスの現状について、また現在はどのような薬が使われているか、またグループで考えた解決策を発表しました。

--今一番関心のあることは?

3学部合同ラオス研修の影響もありますが、医療が整っていない発展途上国に強い関心があります。どのようなアプローチをすれば問題を解決していけるだろうかと、これまで以上に考えたり、調べたりするようになりました。

--将来はどんな活動をしたいですか?

やはり海外、特に発展途上国で看護・医療分野の仕事をしたいです。来年は先生からいただいた紹介で、南アフリカに滞在し、リアルな現場で学ぶ予定もあります。高校時代からの想いをかたちにするべく、最初の一歩を踏み出します。

--看護医療学部を志す後輩たちへメッセージをお願いします。

看護・医療は人との距離がとても近い仕事です。そして何よりも人の支えになれる、素晴らしいものです。いざその道を志して看護を学び始めてみると、もちろん楽しいことばかりではありません。実習や演習ではつらいこともあります。でも周りの先生や仲間のサポートがあたたかい、とても良い環境にいると感じています。志の高い人が多いので、ともに頑張りながら、良い刺激を受けることができます。日本のみならず、世界の医療を必要としている人たちに、看護や医療を届けたいと思う人は、ぜひここで一緒に勉強していきましょう。

出典元:慶應義塾大学看護医療学部Webサイト「学生の声」