慶應義塾大学医療系三学部合同教育

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2016年度の初期プログラム

日程

2016年5月21日(土)

場所

日吉キャンパス

参加者

合計  389名
・医学部     114名
・看護医療学部  106名
・薬学部薬学科  169名

概要

医看薬混成7-8名×54グループにわかれて、チーム形成を目指した「ゲーム」を実施しました。ゲーム後は、チーム医療についてディスカッションし、全グループがプレゼンテーションを行いました。

5月17日(土)14:40〜18:00、日吉キャンパスにおいて医学部、看護医療学部、薬学部薬学科の1年生389名が参加した「医療系三学部合同教育初期」が実施されました。

初期教育では、今まで「日本人の死生観」や「対話」に関する講演を聴き、それに基づいたグループディスカッションを行なってきましたが、今年度は講演ではなく、「チーム形成」を目的とした「ゲーム」の実施を導入しました。この「ゲーム」は、初期教育へ貢献したい、とのことで昨年度の医学部6年生が作成してくれた「脱出ゲーム」で、7つの謎を解いて宝箱のカギを開け、さらに課題に取り組む、というものです。また、今回は、三学部それぞれから上級生(3〜6年生)がStudent Assistant(SA)として参加し、ゲームの実施を手伝ってくれました。上級生が下級生の学習に参加しサポートする、という慶應義塾大学ならではの教育活動を行なうことができ、初期教育の新たな形ができつつあるように思います。

三学部合同教育統括責任者である門川医学部教授、また杉本薬学部長による開会挨拶の後、各グループに分かれ、簡単な自己紹介の後「ゲーム」を実施しました。「ゲーム」では、教室内に配置されたヒントや問題を手分けして集め、皆で考え謎を解いて"脱出"しなければならないため、初対面の学生達も学部を超えて協力し合っていました。ゲーム実施中の40分間はどの教室も、ああでもない、こうでもないと考えあぐねる声と、(他のグループに答を知られないように)押さえた歓声であふれ、またファシリテーターの教員やSAも意識して雰囲気を盛り上げていましたので、実に楽しそうでした。

その後のグループワークでは、一転して静かな話し合い、対話が展開されました。グループワークには不慣れな1年生ですが、ゲーム実施によって十二分にアイスブレーキングされたせいでしょうか、時間内にまとめることができました。発表時間は1グループあたり20秒という短いものでしたが、どのグループも簡潔にわかりやすく発表していました。今回のディスカッションのテーマは、(1)より良いチーム医療を行なうために、これから自分たちがすべきことは何か、(2)もし自分が患者だったらどんなチーム医療を受けたいか、のどちらかを選ぶ、でしたが、医療に関する知識があまりない1年生にとっては難しかったのか、類型的な内容が多かったように思います。(ちょっと残念!)
各学部長がそれぞれ1グループを選んでベストKID賞を授与し、小松看護医療学部長の挨拶で閉会しました。

学生からは、良かった点として「交流の機会となった。他の学部への理解が深まった。」「協力することで問題が解決する爽快感を学んだ」「コミュニケーションをとることができた」等の声があり、今回の合同教育を通して得られたこととして「連携の重要性を学んだ」「ゲームでの経験によって、チームワークの強みがわかった」「(連携するために)自分の専門分野に精通する必要性を感じた」などがありました。

SAからは、ゲームを取り入れた今回の授業に対し肯定的な意見が多く、特に1年生なので"一緒に、楽しめることをすることはとても大事"であり、"全体で協力しながら行なうことができていた"、"今回のようなアクティビティを増やし、合同授業は面白いという意識を根付かせることが大事"という意見がありました。

来年度も「ゲーム」を取り入れる予定で、すでに1年生の中からゲーム作成を希望する有志が集まってきています。「半学半教」の精神で、次回の初期教育を構築したいと思います。