慶應義塾大学医療系三学部合同教育

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2015年度の中期プログラム

日程

2015年9月26日(土)

場所

湘南藤沢キャンパス(本館)

参加者

合計  363名
・医学部4年     111名
・看護医療学部2年  105名
・薬学部薬学科4年  147名

概要

学生は、大塚太郎氏(医療法人社団 慶成会 理事長)による講演「病院での豊かな最晩年のあり方」を拝聴した後、医看薬の混成チーム(8-9名×42グループ)に分かれ、提示された課題についてグループ討議を行いました。その後、プロダクトのプレゼンテーションを通して、学びを共有しました。

2015年9月26日(土)、12:10~17:30、湘南藤沢キャンパスにおいて「医療系三学部合同中期教育」を実施しました。対象学年は医学部・薬学部4年生、看護医療学部2年生で、計363名の学生がSFCに集いました。「患者中心の医療を提供するための医療チームについて理解を深め、よい医療チームのあり方について考える。」という中期教育の目標を踏まえ、今年度は、大塚太郎氏に「病院での豊かな最晩年のあり方」をテーマにご講演いただきました。「自分の親を安心して預けられる施設」を目指す青梅慶友病院の理事長として、斬新なアイデアと行動力でご活躍中の大塚氏は、患者を一人の生活者として理解し、尊厳を守る関わりについてご自身の経験をもとにお話して下さいました。

大塚氏の講演からグループ討議のための素材やヒントを受け取った学生は、42グループに分かれ各教室に移動した後、「積極的な治療法がなく病院で人生の最期を迎えるしか選択肢がない状況の場合、患者とその家族が医療者に求めることとは何であろうか。」という課題に取り組みました。討議は、三学部の混成グループ(1グループ 8-9名)によって行われ、各グループには1名のファシリテーター(三学部の教員)が配置されました。本プログラムの対象となっている学生の中で、看護医療学部の2年生は2週間の病棟実習が終わったばかりでしたが、医学部・薬学部の4年生は臨床現場を経験していない中での討議となりました。しかし、現場をよく知らない今だからこそ、患者・家族の立場に立った議論することができたとも考えることができ、グループによって進め方は様々でしたが全体的には活発な討議が行われました。

グループ討議の成果は、プレゼンテーションを通して学びを共有することができました。特に、代表として選出された7グループによる全体プレゼンテーションでは、各グループの討議内容がわかるよう工夫されており大変興味深いものでした。大塚氏からは、学生らしい柔軟な発想や視点のユニークさなどについてフィードバックをいただきました。患者さんの「長生きするよりも、豊かな一日」を実現するために医療者に求められているのは、「患者さんの立場から」考えようとする真摯な姿勢を持ち続けることではないかということに思い至りました。

最後に、本プログラムを実施するにあたり、ご講演いただきました大塚氏をはじめ、ご協力ご支援いただきましたすべての皆様にお礼申しあげます。

アンケート

参加対象者373名(うち欠席9名)中、回収346名(回収率 95%)

学生の感想

  1. 講演がとても印象的でした。「医療をやらない判断」は難しく、でも重要なものだと思いました。
  2. 講演を聞いてからグループディスカッションに移ったことで、患者さんやその家族の幸せな形はなんだろうか、それに近づけるためにどんなことを医療者に求めるだろうか、という視点をもって話し合う事ができました。
  3. 同じ医療関連の問題でも、専攻の違う学生で見え方や考え方が違うことを実際に討論する中で強く感じました。お互いの視点の違いを理解したうえで、将来医者になる身としての知識や考え方を自分の中で確固なものとしていくよう努力したいと思います。
  4. 三学部の人がどのような視点で医療に向き合っているのか知る事ができ、とても良い機会でした。
  5. 学部の壁を越えて様々な視点を共有する事ができ、お互いを尊重する土壌ができたのではないかと思います。
  6. 医師として必要な知識を得る事が中心の日々であったが、患者さん、家族の方々の立場に立って考える機会となって良かったです。
  7. 患者さんはいったい何を病院に求めているのかを深く考える機会を与えてくれて、勉強になりました。
  8. 将来一緒に働けたら良いなと思える人たちと話すことができて有意義でした。
  9. ただ勉強するだけではなかなか医療についてつきつめて考えることはないので、医療従事者の卵として考え、意見を交換することで、少しこういう医療者になりたいというビジョンが明確になった気がします。
  10. 難しいテーマだったからこそチームでの議論が白熱し、面白かったです。
  11. 現場に出る前にチームで患者を支えるとはどういうことなのか考える良い機会となりました。
  12. 三学部が集まっての話し合いだったけど、「患者さんのために」と思う気持ちは一緒で根本は同じなんだと思いました。
  13. 実際の医療現場にでていないと分からない事も多く、またテーマが漠然として少しやりづらかったです。
  14. 内容は非常に良いと思ったが、SFCは交通の便が悪いため他のキャンパスで行って欲しいと思いました。