慶應義塾大学医療系三学部合同教育

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2014年度の中期プログラム

日程

2014年9月27日(土)

場所

湘南藤沢キャンパス(本館)

参加者

合計  373名
・医学部4年  109名
・看護医療学部2年  105名
・薬学部薬学科4年  159名

概要

駒野剛氏(朝日新聞社 記者)による講演「医療職者間における情報共有の必要性」後、学生は、医看薬の混成チーム(8-9名×42グループ)に分かれて、提示された課題について、グループ討議およびプレゼンテーションを行いました。

2014年9月27日(土)、12:10~17:30、湘南藤沢キャンパスにおいて「医療系三学部合同中期教育」を実施しました。対象学年は医学部・薬学部の4年生、看護医療学部2年生で、計373名の学生がSFCに集いました。「患者中心の医療を提供するための医療チームについて理解を深め、よい医療チームのあり方について考える。」という中期教育の目標を踏まえ、今年度は、「医療職者間における情報共有」をキーワードに講演を企画し、その後学生間でグループ討議を行いました。プログラムは、看護医療学部長大田喜久子君、医学部長末松誠君による開会の挨拶に続いて、駒野剛氏から「医療職者間における情報共有の必要性」についてご講演いただきました。朝日新聞社の記者である駒野氏は、自らの長い闘病生活におけるエピソードをもとに、医療職者間における情報共有に関して学生が討議するための素材を提供して下さいました。講演後、学生は教室へ移動し、「①なぜ、患者の情報を医療職者が共有する必要があるのか。②患者の情報を共有できるようになるにはどうしたらよいか。」という2つの課題について42グループに分かれて討議を行いました。

討議は、三学部の混成グループ(1グループ 8-9名)によって行われました。また、各グループには、1名のファシリテーター(三学部の教員)が配置され、討議が円滑に進行するよう支援しました。中期教育の対象となっている学年は、看護医療学部の学生が2週間の臨地実習を経験しているのみで、医学・薬学の学生はその経験はなく医療現場をイメージすることが難しいという限界はありましたが、駒野氏の講演が患者の立場からのご自身の経験をもとにした具体的な内容であったこともあり、全体的に活発な討議が行われました。

グループ討議の成果は、プレゼンテーションを通してその学びが共有されました。最終のプレゼンテーションにおいて、駒野氏からは「患者をチームの一員として考えることの重要性」や「学生としての柔軟な発想」についてコメントをいただきました。カルテが電子化され、多忙な臨床現場において、医療職者が対面でコミュニケーションをとる機会が少なくなっていることの弊害が指摘されるようになった今、真のチーム医療とは何かを問い直すよい機会となりました。最後は薬学部長望月眞弓君の挨拶をもって合同中期教育は閉会しました。

学生のアンケート結果の多くは、同じ医療職を目指す他学部の人たちとコミュニケーションを図り、互いの学部についての専門性や異なる価値観に対する理解を深め、患者中心の医療という目標を共有できる本プログラムの意義は大きいというものでした。

最後に、本プログラムを実施するにあたり、ご講演いただきました駒野氏をはじめ、ご協力ご支援いただきましたすべての皆様にお礼申しあげます。