慶應義塾大学医療系三学部合同教育

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2017年度の合同臨床実習

2018年5月の慶應義塾大学病院新病棟開設からは、医学部、看護医療学部、薬学部による合同の臨床実習が頻繁におこなわれるようになります。そのための準備として、今年度は、合同臨床実習を2回行いました。1回目は慢性腎不全の患者さんを対象とした実習で、2回目は小児の患者さんを対象とした実習でした。

日程

2017年6月22日(木)10:00-15:00

場所

慶應義塾大学病院

参加者

医学部2名、看護医療学部2名、薬学部薬学科2名

概要

AチームとBチームに分かれ、それぞれに割り当てられた患者さんから話を伺い、患者さんの抱える問題に、どうアプローチするかを相談しました。

Aチーム3人とBチーム3人に分かれ、それぞれに1人の患者さんを割り当てました。それぞれのチームは血液透析を受けている患者さんを担当しました。まずは、電子カルテから、その患者さんの臨床経過を調べ、現在抱えている問題は何なのかを把握しました。その後、実際に病棟に患者さんに会いに行き、現在抱えている問題を患者さんから直接伺いました。学生達は、電子カルテから集めた情報に、実際に患者さんから伺った話を加えて、その患者さんの抱える問題と、それの対応を話し合いました。

その後、1時間のグループワークをおこない、「各職種の患者さんへのアプローチの特徴はなんでしょうか? それらのアプローチの違いをチーム医療にどのように役立てたらいいでしょうか?」というテーマでグループワークをおこないました。

後期プログラムで末期腎不全患者のペーパーシナリオを体験した彼らでしたが、実際の患者さんを前にして、より真剣に、責任感を持って、実習に臨んでいました。

日程

2017年7月14日(金)10:30-15:40

場所

慶應義塾大学病院

参加者

医学部2名、看護医療学部2名、薬学部薬学科2名

概要

AチームとBチームに分かれ、それぞれに割り当てられた患者さんから話を伺い、患者さんの抱える問題に、どうアプローチするかを相談しました。

各学部1名ずつ計3名の2チーム(Aチーム、Bチーム)に分かれ、それぞれに1人の患者さんを割り当てました。Aチームは心疾患で精密検査のために入院した学童期の患者さん、Bチームは急性感染症で入院した幼児期の患者さんを担当しました。まず、各チーム1台の電子カルテで患者背景、病状の推移と治療歴・薬歴、治療方針などを確認し、現在抱えている問題は何なのかをチームでまとめました。その後、Aチームはベッドサイド、Bチームはプレイルームで母親とともに実際にお話を伺いました。自分の病気や入院している状況とどう向き合っているか、患者さんが抱えている問題や治療に関わる問題点の解決の手がかりとなるお話を聞き、様子を観察し、小児の患者さんやその家族と向き合う時間を経験しました。その後、患者さんから伺ったお話しを踏まえて再度電子カルテで患者さんの状況や病状等をチームで確認し、患者さんの抱える問題と対応について話し合った後、1時間のグループワークを行い「受け持った患者さんについて他のグループメンバーにわかるようにプレゼンすること」と、「小児治療におけるよりよいチーム医療とは」を課題に話し合いました。
各チームのプレゼンテーション、質疑応答やディスカッションでは、まず、医師、看護師、薬剤師それぞれが異なる専門性を持っていることをお互いにあらためて認識する機会となったことに加え、これら以外の職種(臨床心理士、Child life specialist、保育士など)やボランティアの方の重要性を理解しました。また、小児では年齢によりアプローチの仕方が異なること、言葉だけでなく行動も含めた全体を観察することが大切であることなど小児科診療の特殊性についても学び、よりよい診療のために各職種が専門性を活かすためにはお互いを尊重するとともに各職種相互の連携が必要であることにも気づきました。さらに、異なる専門性をもつ多職種がチームとして機能するためには、自分の専門性をさらに磨き深める必要性があることにも気づくことのできたよい実習となりました。